保有株がスピンオフを発表したのですが、どうなるんでしょうか?
今持っている株は一般口座に自動移管されます。
スピンオフで払い出される株も一般口座に入庫されます。
2020年11月に保有株ファイザーのスピンオフが発表されました。
保有株のスピンオフは初めての経験でしたので、
記事の内容
- スピンオフとは
- スピンオフによる保有株への影響
- スピンオフで注意すべき点
について調べてみました。
その結果、
結論
スピンオフした株はすべて一般口座に移される(※)ので、確定申告が面倒になる。
また、1株未満で入金される払出金は確定申告の対象になる。
※NISA口座での保有分以外
ということがわかりました。
とても面倒なので、次回からはスピンオフ前に売却しようと思っています。
今回はその経験を記事にしてみました。
目次
スピンオフとは
スピンオフってなんぞや?
スピンオフとは
企業がある事業部門を独立させて、新しく会社を設立すること。
元の会社との資本関係は継続することが多い。
2020年11月、保有株ファイザーがスピンオフを発表しました。
これについて、楽天証券から次のメールが届いています。
今回のファイザーによるスピンオフは、
- 「特許切れ医薬品事業(アップジョン)」をスピンオフする。
- スピンオフされた企業(アップジョン社)は別の企業(マイラン社)と合併する
- これにより新会社「ヴィアトリス」を設立する。
なにやらややこしいので、図にまとめると以下です。
私が保有するファイザー株が
- ファイザー株
- ヴィアトリス株(アップジョン株)
の2社の株に分割されるようです。
楽天証券のメールを見ると、わたしの保有株式は次のように扱われるとのことでした。
PFE 1株につき Upjhon Inc. 0.1247株が(追加で)付与される予定。
※付与される株数が1株未満の場合は、後日相当金額の入金を行う予定。
スピンオフされたUpjhon Inc.はマイラン(ティッカー:MYL)と合併予定。
Upjhon Inc. 1株につき、合併後新会社Viatris Inc. 1株と交換予定。
文字だけだとよくわからないので、先ほどの図に保有株の変化を追記してみました。
今回のスピンオフにより、わたしが保有することになる株式が赤字です。
ファイザー1株につき追加でアップジョン株が0.1247株付与されます。
またこのアップジョン株は、ヴィアトリス株に1対1で交換されます。
その結果、
大事なこと
保有していたファイザー1株に対して、
- ファイザー1株
- ヴィアトリス0.1247株
が付与されることになります。
スピンオフで保有株は一般口座に自動移管
特定口座での保有株は一般口座へ自動移管
今回のスピンオフにより、特定口座で保有していたファイザー17株はすべて一般口座に払い出されました。
追加付与されるヴィアトリス株も一般口座に払い出されています。
これにより特定口座からファイザー株が消えます。
大事なこと
スピンオフ前に「特定口座」で保有していたファイザー株は、特定口座から消えて「一般口座」に自動で移管されます。
追加付与されるヴィアトリス株も一般口座に払い出されるし、なんで一般口座なんでしょうか?
このあたりは調べても証券会社による明確な回答は見つかりませんでした。
が、米国株投資家のブログを見ると、
「税務上、特定口座での取り扱いができない場合に一般口座に払い出される」
というルールがあるようです。
スピンオフは税務上の扱いがややこしく、(簡単に確定申告ができる)特定口座の範疇を超えてしまいます。
このため、一般口座に払い出されるようですね。
NISA口座での保有株は一般口座に移らない
NISA口座で保有するファイザー株は変化がありませんでした。
大事なこと
NISA口座で保有するファイザー株は、継続してNISA口座で保有できる。
また私の場合、NISA口座のファイザー株からはヴィアトリス株が払い出されませんでした。
これは、NISA口座のファイザー株から払い出されるヴィアトリス株が1株未満だったためです。
株としては払い出されず、付与されるヴィアトリスの株数相当の金額が入金されます。
実際に口座を見てみると11月26日に米ドルが入金されています。
ちなみにこの振替入金は、源泉徴収されていないので確定申告の対象です。面倒です〜。
もし、ヴィアトリス株が1株以上だった場合は、どの口座に払い出されるのでしょうか。
この取り扱いについて後日楽天証券に質問してみたところ、以下のように回答がありました。
楽天証券からの回答
NISA口座で保有するファイザー株からヴィアトリス株が払い出される場合は、一般口座に払い出します。
また一般口座…。面倒ですね。
スピンオフは確定申告が面倒
スピンオフされた銘柄は、NISA口座での保有分以外、一般口座に払い出されます。
これにより確定申告が面倒になります。
一般口座に移る株式の平均取得価額が0ドルで表示される(実際は0ドルではない)
一般口座に払い出された株式をよく見ると、平均取得価額が「0ドル」になっています。
もともと30ドル台で取得していたファイザー株ですが、一般口座に移ることで取得価額が0ドルになっています。
めちゃめちゃ得じゃん!
とはなりませんのでご注意ください。
大事なこと
証券口座上では0ドルで表示されているだけで、実際の取得価額は、元々取得していた価格になります。
さらに厄介なのが、追加付与により一般口座に払い出されるヴィアトリス株です
追加付与されたヴィアトリス株の取得価額はどうなるのか。
楽天証券に確認したところ、
楽天証券からの回答
お近くの税務署へご確認ください。
とのことでした。
なんでやねん。
つまり、スピンオフを実施する株を継続保有するためには、
大事なこと
- 取得する株式は常日頃から取得価額を控えておく
- 追加付与される株式の取得価額は税務署に確認する。
- 1株未満で現金化された振替入金は確定申告に算入する。
- 一般口座に移された株式を売却するときは自ら損益を計算する。
- その計算結果を用いて確定申告する。
という対応が必要です。
面倒すぎる!次からは絶対スピンオフ前に売る!
取得価額はスプレッドシートで管理すると良い
もし、面倒を承知でスピンオフ銘柄の保有を続ける場合は、購入する株の取得価額は控えるようにしましょう。
私は、この取得価額をスプレッドシートで管理しています。
スプレッドシートだと銘柄情報をネットから自動取得できるのでおすすめです。
-
ネットから銘柄データを自動取得する方法(Googleスプレッドシート)
続きを見る
追加購入や一部売却したときはスプレッドシートの更新を忘れないようにしましょう。
確定申告をするならマイナンバーカードを発行しよう
一般口座の株式を売却する場合は、確定申告が必要になります。
でもそのためにいちいち税務署に行くのは面倒です。
そんなときのために、
確定申告をするならマイナンバーカードを発行しましょう。
マイナンバーカードを発行すれば、自宅で確定申告ができるので便利です。
そして確定申告は案外簡単です。
e-TAXにアクセスして必要事項を入力。
パソコンに接続したカードリーダーにマイナンバーカードをかざして、送信するだけ。
マイナンバーカードの読み取りはスマホでもできます!
確定申告が完了したら、申告内容をファイル保存できます。
これにより、翌年以降は前年の申告内容を参考にできるのでさらに楽になります。
おわりに
スピンオフされた銘柄はNISA口座で保有するもの以外は全て一般口座に払い出されます。
このため、スピンオフ後も継続して株式を保有する場合は、確定申告を意識する必要があります。
さらにスピンオフ実施後は、証券口座上では取得価額が0ドルで表示されます。
このためスピンオフが発表された銘柄は、常日頃から株式の取得価額を控えておく必要があります。
また売却時に利益が出る場合は、その額を自ら計算する必要があります。
逆に損失が出る場合には損益通算のために損失額を計算する必要があります。
そもそも1株未満で現金化される振替入金は確定申告しなければなりません。
スピンオフ銘柄の継続保有は確定申告を意識して、厳密な保有銘柄の管理が必要になりそうです。
とても面倒ですよね…
このため、スピンオフが発表された銘柄を継続保有したいときは、その銘柄をスピンオフ直前に一度売却して、スピンオフ後に再度買い付けることをお勧めします。
ちなみに一般口座の銘柄から出る配当金は、特定口座を開設している場合に限り、確定申告不要です。
-
一般口座で保有する株から配当金が出ても確定申告不要
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それだけは安心!