銘柄分析

【銘柄/高配当】TTW -タイの水道事業の将来を担うアセアン銘柄インフラ企業

2020年1月27日

今回は保有銘柄であるTTWを紹介します。

TTWの概要

会社名:TTW Public Company Limited ※旧タイタップウォーター

設立年: 2000年9月

業 種:公益事業-水道

銘柄特性:高配当、ディフェンシブ

配当利回り:5.17%(2021年4月)

TTWは、2000年にタイ・タップ・ウォーターとして設立され、2014年に名称変更して現在のTTWとなりました。


1990年代、バンコク近郊では地下水の過剰利用が原因で地盤沈下や 地下水汚染が深刻化していました。

その事態を重く見たタイ政府が、解決のために民間の技術を活用しようと入札を行い、その結果作られた会社がTTWです。


TTWの主な事業は、設立経緯から見てわかる通り、タイ王国における水道事業です。

タイ地方水道公社(PWA)と30年(2004年~2034年)にも及ぶ契約を締結して事業を行っており、まだまだ安定的な事業経営が続くことが想像できます。

またTTWには三井物産が35%出資しており、信用面においても、一定の満足感が得られます。


タイの水道事業について

タイの水道事業は、タイ内務省の傘下であるタイ地方水道公社(PWA)と、タイ首都水道公社(MWA)の2組織にて管理運営されており、以下の違いがあります。

また、以下の地図で赤く塗られたエリアがMWAの事業エリアになります。

ということはそれ以外がPWAの事業エリアとなります。これは良し悪しかもしれませんが、PWAの方が公的な要素を強めないと事業が成り立たないかもしれません。


またタイ政府ではSDGsとして、「2030 年までにすべての人々が普遍的で公平に、安全で廉価な水へのアクセスが可能となる」という目標を設定していることから、今後は首都圏以外のエリアでの水道整備が求められていることがわかります。

この点からもPWAと契約しているTTWが、タイ国内で果たす役割はとても大きなものであるということが覗えます。


【株価】上場来右肩上がりも近年横ばい

investing.comより

上場した当初は4バーツ程だった株価がコロナ前は15バーツをオーバーしていました。

右肩上がりに上がってきたわけですが、コロナ以降は少し下落傾向にあります。

今が買い時か、それともこれから下落を始めるか。少し様子見が吉でしょうか。


【売上】右肩上がりからの横ばい

※グラフが見切れる場合はスクロールしてください。

売上は2013年まで右肩上がり、2014年は営業外収益の減、関連企業の売却益がなくなったことに起因して減収です。

2014年はクーデターが起きていますので、もしかすると政権の混迷が少なからず影響しているのかもしれません。


【配当】今後増配する??

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2008年の増配以降、2014年まで7年連続増配していました。2015年に減配すると、それ以降は横ばい。

これは配当性向の上昇が起因すると見られますが、近年は配当性向低下してきており、もう数年で増配も期待できるかもしれません。


【キャッシュフロー】インフラ事業の典型

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比較的安定したキャッシュフローです。

インフラ事業かつ国策、独占的にサービス提供しているので、キャッシュフローの大幅な乱れは想像しにくいです。

今後は、都市部から離れた地区への水道提供を目的に借入を増やすでしょうから、あまり急ぎすぎず、急がば回れの精神で進めてもらいたいです。


【資産】自己資本比率良、今後は負債増?

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概ね順調に見えます。自己資本比率も60%と十分です。

これからは採算性の悪いエリアに水道展開が必要になるので、営業収入の増加以上に負債が増えていくことが考えられます。

2030年に政府目標の達成というプレッシャーもある中、どのように事業進めていくか、注目です。


まとめ

TTWは2034年までタイ政府と契約して水道事業を展開する企業です。

事業エリアは都心部以外の74県。

「2030 年までにすべての人々が、普遍的で公平に、安全で廉価な水へのアクセスが可能となる」という政府目標を背景に、これから大きな役割を担っていく企業になります。

経営状況も安定的に推移しており、今後やるべき目標も見えています。

その目標に対して無理なく進められれば、大きな成長はないにしろ、安定的なリターンを得られる企業と思います。

5%超の高配当でもあるので、もう少し株数増やしていこうと思っています。

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のば

配当金累計50万円突破|ブログは単年黒字化突入|外資系フルリモートワーカー|高配当株投資家|平成生まれが「株式」「配当」「ブログ」をキーワードにセミリタイア目指しています。

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