今回は保有銘柄であるアルトリア・グループ(MO)について分析します。
目次
アルトリア・グループは高配当筆頭の米国タバコ銘柄
会社名:Altria Group Inc(アルトリア・グループ)
設立年:1985年
業 種:Consumer Defensive(yahoo!financeの区分)
銘柄特性:高配当、ディフェンシブ
配当利回り:8%超(2020年7月現在)
アルトリア・グループは傘下にフィリップモリスUSA(タバコ)、USスモークレス・タバコ・カンパニー(無煙タバコ)、サン・ミシェル・ワイン・エステーツ(ワイン)などを持つ、企業グループです。
主要な事業は、LarkやMarlboroなどに代表されるタバコ事業です。
このタバコ事業はフィリップ・モリスUSAが手掛けているのですが、iQOSなどを製造するフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)とは別の会社になります。
それに対してフィリップ・モリスUSAは米国内のみで事業展開しています。
以下、タバコ産業の売上規模ランキングです。
1位 フィリップ・モリス・インターナショナル(米) 296億ドル(約3.2兆円)
2位 ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(英) 261億ドル(約2.8兆円)
3位 インペリアル・タバコ(英) 201億ドル(約2.2兆円)
4位 アルトリア・グループ(米) 196億ドル(約2.1兆円)
5位 日本たばこ産業(日) 194億ドル(約2.1兆円)
6位 ITC(印) 87億ドル(約9,500億円)
7位 グダン・ガラム(インドネシア) 63億ドル(約6,800億円)
8位 KT&G(韓) 41億ドル(約4,500億円)
アルトリア・グループは4位になっていますが、兄弟企業であるフィリップ・モリス・インターナショナルの存在を考えると世界最大級のタバコ企業グループと言えそうですね。
アルトリア・グループではタバコのほかにもワインの製造も行っています。その他、真偽は定かではないですが、マリファナも将来的に取り扱うのでは?という噂もあったりなかったりです。
アルトリア・グループは他のタバコ銘柄と同様に高配当銘柄であることに加えてディフェンシブ銘柄です。
景気が良かろうが悪かろうが、タバコを吸う人は吸いますもんね。
なので、安定した配当が見込めるという判断からインカムゲイン投資家としては、今後も徐々に持玉を増やしていきたい銘柄です。
【株価】ダウントレンドが継続

2017年に77ドルの高値をつけて以降、ダウントレンドが継続しています。
チャートの形状だけをみれば、買うのに勇気がいる形になっています。高配当だからという理由だけで飛びつくのは少し怖い気もします。
【売上】横ばい

売上はほぼ横ばいです。アメリカでもアンチたばこが進むことで減収リスクが存在しますが、やっぱり吸う人は吸うので堅調ですね。
2019年はEPSがガクッと下がっています。これは電子タバコJUULの減損処理を行ったためです。気合を入れて取得したにもかかわらず、早々に損だししています。
また前述ですが、マリファナを取り扱うようになればもっと強固な売り上げ基盤ができるのではと想像しています。(倫理的に良いかどうかはありますが・・・)
【配当】50年連続増配中

50年連続増配中らしい。MOのIR資料を見る限り、上記グラフの通り2008年・2009年と減配しているように見えます。
しかし、これは2007年にクラフトフーズ、2008年にフィリップモリスインターナショナルをスピンオフさせたことによる減額でスピンオフ時に調整した配当金から計算すると増配していることになるようです。
ちなみに2019年は3.28ドル/株となっています。
【キャッシュフロー】堅調もJUULで巨額評価損

キャッシュフローもここ数年問題なく推移していました。
しかし、2018年に投資CFのマイナスが突出しています。これは電子タバコを展開するJUULの株式35%を取得したからです。その額は128億ドル、日本円で約1兆4,000億円に上り、相当気合を入れているようでしたが、取得後1年も経たないうちに、評価損を計上です。
タバコ産業は日々このような社会批判にさらされるリスクを抱えていますので、注視が欠かせませんね。
【資産】自己資本比率は低位に推移

自己資本比率は10%台と低めです。キャッシュフローがしっかりしているのですぐに問題にはならないですが、想定外の支出が伴うと債務超過などの心配が出てきます。
まとめ
アルトリア・グループは米国内で主にタバコ事業を展開する企業グループです。
タバコを取り扱うという点から社会批判に晒されやすいリスクを持つ企業になります。
しかし、50年連続増配中で配当利回りも驚異の8%超と株主還元に積極的な企業です。不景気にも強いディフェンシブ銘柄の代表ということも加味して、株価の安いうちに多く仕込みたい銘柄だと思います。
今後は電子タバコのJUULに対して批判的になっている世論をどのようにかわすかがポイントになると思いますが、私としてはもっと保有株数を増やしていきたいと考えています。