銘柄分析

【銘柄/高配当株】B&G フーズ(BGS)-アメリカの老舗食品メーカー

2019年10月21日

B&Gフーズは株価上昇が見込めない中、ディフェンシブ+高配当ということで購入していた銘柄です(既に売却済み)。

この銘柄はM&Aに積極的で、販売ブランドをどんどん増やしていますが、その実態は借入金を増やしているという決して良好とは言えない財務体質を持ちます。保有するには少しリスクが高いでしょうか。

今となっては売却しておいて良かったかなと思っています。

B&Gフーズはアメリカの老舗食品メーカー

B&Gフーズ基礎情報

会社名:B&G Foods, Inc.

創立年:1889年

業 種:Consumer Defensive(Yahoo!financeのSectorより)

利回り:(配当)6.21% 2021年5月現在

特 性:高配当、ディフェンシブ

B&Gフーズは1889年創立の老舗食品メーカーです。

創立された年、日本では大日本帝国憲法が公布されています。

伊藤博文や夏目漱石らが活躍していた時代から続く息の長い企業ですね。

B&Gフーズはもともとジョセフ・ブロシュ(Joseph Bloch)氏とジュリアス・グッゲンハイマー(Julius Guggenheimer)氏が、マンハッタンでピクルスの販売を始めたことに端を発します。

「Blos」と「Guggenheimer」でB&Gですね。

その後1893年に発売した「Cream of Wheat(ホットシリアル)が爆発的にヒットし、B&Gフーズはアメリカ全土で認知されるようになりました。

クリーム・オブ・ウィート

1893年に発売したホットシリアル。130年近く経過した現在でもB&Gフーズの主力商品になっています。

B&Gフーズホームページより

Cream of Wheatのヒット以降、ORTEGAなどの様々な食品メーカーのM&Aで事業を拡大していきます。

その結果、現在では50超のブランドを有すアメリカの代表的な企業へと成長しました。

業種はConsumer Defensiveということで、不景気時にも強いディフェンシブ銘柄です。

コロナショック時は株価の下落を見せていますが、比較的穏やかな値動きでした。

【株価】コロナショック以降株価反転

出所:TradingView

下がり基調だった株価は2020年を境に反転上昇しました。コロナの影響もあり冷凍野菜を始めとした同社製品の売れ行きが伸びたことが要因です。

また、Clabber Girl(ベイキングパウダーを販売)のM&Aも寄与し、2020年は同社史上最高の売上高を更新。株価は反転上昇トレンドに乗っています。

【 売上】M&Aで事業拡大

売上高はM&Aが繰り返されていることもあり、右肩上がりで推移。

2020年にはコロナの影響もあり、グリーンジャイアントフローズン(冷凍野菜)などが売上を押し上げて史上最高額19億ドル(約2,000億円)の売上高となりました。

ちなみにB&Gフーズの事業規模は日本でいうとカゴメ(2,098億円)やJ-オイルミルズ(1,867億円)と同規模になります。

そういう点からは、アメリカでは馴染みの深い会社という印象を抱かせますね。

ブランド別売上高 トップはグリーンジャイアントフローズン

BGSは50以上のブランドを保有していますが、その中でトップの売上高を誇るのがグリーンジャイアントフローズン(冷凍野菜)です。

グリーンジャイアントは野菜やコーンなどの缶詰製品で、日本でもJTが販売していました(2013年販売終了)。

アメリカでは現在も主力製品で、グリーンジャイアントブランドの中でも冷凍野菜が最も売れ筋の商品です。

そういう点ではコロナ禍で売上を伸ばしたのは納得の内容ですね。

【配当金】9年続いた増配がついにストップ

配当金は2011年の増配以降、9年連続で増配していましたが、2020年に配当金を1.9ドルで据え置き、連続増配がついにストップしました。

配当性向が100% を超えることが頻繁にあったので仕方ないですね。

しかし、それでも減配ではなく配当据え置きのところは株主還元に対する意志の強さを感じます

【キャッシュフロー】安定していない

ご覧の通り安定しないキャッシュフローです。

営業CFが十分でなく、またM&Aのために投資CFが大きくマイナスになる年が多くあります。

一方で財務CFはほぼ毎年プラスで推移。これはM&Aのために借入金を増やしていることによるものだと推察でき、その返済が収益を圧迫するリスクが想定されます。

2018年にはパイレーツブーティ(Pirate's Booty)の売却益でかなり借入金を返済しているようですね。

【資産】負債が増加、自己資本比率が大きく低下中

企業買収を繰り返しているので、総資産は増えていますがそれに合わせて総負債も増えています。

わたしが最も気にしているのは、自己資本比率の低さです。

2019年以降その値は20%を割り、健全な財務体質かという点に疑問符が付きそうです。

【市場の評価】B&Gフーズへの投資に否定的な意見も

Seeking Alphaには以下の投稿もあり、BGSへの投資に否定的な意見も少なからずあります。

・借金に依存しており、過去3年間の総配当金支払額が同期間の総営業CFを超過しているので、減配するべき。

・減配幅は最低でも50%は必要になると思う。

https://seekingalpha.com/article/4317147-b-and-g-foods-dividend-cut-likely

確かに、何らかの施策により営業CFを改善させない限りは、近い将来減配したほうが会社のためのような気もしますね。

おわりに

B&Gフーズは食品を取り扱うという点でディフェンシブな値動きをすること、また配当利回りも6%超と配当狙いの投資家にとっては、気になる銘柄です。

しかし、近年営業CFが十分でない中でM&Aを繰り返しており、負債の増加による自己資本比率の低下が大変気になるところです。

2020年に9年続いた連続増配をストップさせており、いよいよ来たなという印象を抱きます。

とはいえ、減配ではなく配当据え置きとした点に株主還元に対する意志の強さを感じ、その点だけを見れば魅力的だとも思います。

とどのつまりBGSに投資をするのであれば、現状の経営リスクを考慮したうえで購入するべきかと思います。

  • この記事を書いた人
プロフィール

のば

配当金累計50万円突破|ブログは単年黒字化突入|外資系フルリモートワーカー|高配当株投資家|平成生まれが「株式」「配当」「ブログ」をキーワードにセミリタイア目指しています。

-銘柄分析